Google SEOが大きく変わる 2021年5月から導入されるCore Web Vitalsとは?
Googleが2021年5月より導入を決定しているCore Web Vitals(コアウェブバイタル)、これによりSEOランキングの指標が大きく変わります。 この記事では今後のSEOにも影響を及ぼすCore Web Vitalsの内容、目標値、およびSEOへの影響について解説していきます。
CoreWebVitalsとは?
2020年5月28日、Googleは新しいUX指標「Core Web Vitals」を発表しました。UXとは、User Experienceの略で、ユーザが快適にWebを利用できる指標を表す、言わばSEOの指標です。 GoogleはこのCore Web Vitalsを2021年5月よりスマートフォンのUX指標に適応すると発表しており、サイト運営者にとっては対策が急務と言えるでしょう。 GoogleはCore Web Vitalsの指標を大きくLCP、FID、CLSの3つであると発表しました。3つ共、ユーザが利用する際の反応スピードに関する値になっています。ユーザがどれだけに快適に利用できるか?それに関する速度を指標で表したものがCore Web Vitalsの本質と言えます。
表示速度を測る指標、LCP
1つ目はLCP(Largest Contentful Paint)、Webページの表示速度を測る指標です。主にブラウザ表示範囲内で、最も大きなコンテンツが表示される時間を表しており、秒で表します。値が小さいほど良い判定となります。 例えばWebページの画面表示速度が早ければ早いほど快適に利用できた、と感じますよね?逆に画面表示に時間がかかればその分快適度は落ちると思います。Googleはこれをユーザ快適度として数値化し、指標として利用します。
反応速度を測る指標、FID
2つ目はFID(Firest Input Delay)、ユーザがアクションした際にその反応速度を測る指標です。Input Delay とは入力後、動作が始まるまでの遅延を意味しており、例えばボタンをクリックしてからその結果が表示されるまでの時間であり、ミリ秒で表します。値が小さいほど良い判定となります。 Webページで次のページに進むためのボタンを押した際、サクサク表示されると快適さを感じますよね?逆にボタンをおしても次のアクションに進むまで長時間かかれば不安になったり使いづらいと感じるのではないでしょうか?Googleはこれをユーザ快適度として数値化し指標として利用します。
表示安定度を表す指標、CLS
最後はCLS(Cumulative Layout Shift)、ユーザが意図せぬレイアウトずれがどれだけ発生したかを表す指標です。 画面表示中に一部の図などがあとから読み込まれたことにより画面がずれることがありますが、これをUXの1つとし、数値化しています。単位はなく、値が小さいほど良い判定となります。 Webページを開いて文章を読んでいる際、後から図が表示され画面が大きくずれて読みづらかったことありませんか? あるいは、リンクをタップしようとしたら後から広告が表示され、誤って広告をクリックしてしまったことありませんか? こういった画面のずれにより快適度が落ちることがどれだけあるか?をGoogleは指標として数値化、快適度を表す指標として利用します。
Core WebVitalsの計測ツール
それでは今後サイトのCore Web Vitalsの値がどの程度なのか?確認する方法はあるのでしょうか? 答えはYES、Core Web Vitalsの値を測定してくれるツールやChrome拡張機能で確認できます。 皆さんが運営するサイトのSEOでも、Core Web Vitalsの値は非常に気になるところですよね? ここでは、Core Web Vitalsを確認するツールと方法について紹介します。
Google search console
Google search consoleは、サイト掲載順位を監視し、評価と改善に役立つ、SEOのかなめともいえるツールです。サイト運営者やSEOする方には必須のツールではないでしょうか?
このサーチコンソール内で3つの指標をもとにした評価結果が表示されるようになりました。 「Webに関する主な指標」として評価結果や問題点についてレポートされており、LCP、FID、CLSそれぞれの指標ごとに評価されています。評価結果はPC、モバイルの2つの分類で表示されています。
ステータス指標も明確な数値で決められており、値ごとに「良好」、「改善が必要」、「低速」の3段階で評価されます。例えば、LCPであれば良好は2.5秒以下、改善が必要は4秒以下、低速は4秒以上と数値化されています。 サーチコンソール上では、日別の測定結果も表示されるため、いつ頃から改善が必要になったのか?履歴を追うことも可能です。例えばページ更新した前後の違いなどを確認することもできるわけです。 また、Google search consoleで表示される値は、Chrome Experience reportを元にしたフィールドデータを元にしています。実際のユーザデータに基づく評価ですので、よりUXに近いと言えるのではないかと思います。
以上のことから、Core Web Vitals においてもGoogle search console は非常に重要なツールと言えます。
Page Speed Insights
Page Speed Insightsは指定した1つのページについて表示スピードを評価するWebサイトとなります。特定のページをアップデートした際などに表示スピードを評価するために利用されます。 このサイトでも評価基準にCore Web Vitalsの用いているため、特定ページを評価できます。 評価結果には、LCP、FID、CLSそれぞれの値、およびトータルでの評価結果が表示されます。それぞれの値はGoogleの「良好」、「改善が必要」、「低速」の3段階で評価されています。 また、PC、モバイルそれぞれの評価結果も表示されるため、個々の対策にも利用しやすくなっています。 サイト全体ではなく、このページだけ評価を確認したい、という方にはサーチコンソールよりもこちらのほうがよいと言えますね。 但し、参照するデータはラボデータです。ご自身のPC環境を基準としており、多くのユーザ環境を元にした結果ではない為、その点注意が必要です。
chrome拡張機能
Google Chromeの拡張機能の中にもCore Web Vitals測定ツールがあります。Google Search ConsoleやPage Speed Insightsと違い、インストールすればバックグラウンドで表示したページを測定してくれるという点では便利なツールと言えます。 Core Web Vitalsの発表以降、国内外から多くのデベロッパーが測定、評価するための拡張機能 を発表、提供しています。 Google Chromeの拡張機能として提供される測定ツールについて、ここでいくつか紹介します。
Lighthouse
LighthouseはGoogleの拡張機能のひとつで、Webサイト評価を目的としたツールです。Google Chrome上で開いたページの評価を目的としたツールで、この評価項目の中にCore Web Vitalsの値についての評価も行われます(Performance)。 拡張機能で利用できる点や、その他SEOに必要な評価も行ってくれる為、ページの総合評価を行うツールとしては便利といえます。 但し、こちらも基準値はラボデータによるものですので結果と実際の利用ユーザの評価にずれが生じるケースもあるため、注意が必要です。
Web Vitals
Web Vitalsは Core Web Vitalsの値を測定することに特化したツールです。対象のページを開き、アイコンをクリックすれば、3つの値(LCP、FID、CLS)の結果と評価が表示されます。 単純にその結果のみしか表示されない為、原因や対策について詳細な情報は表示されません。SEOには不向きなツールとも言えますが、逆に単純に結果だけを見たい方にはシンプルでわかりやすいツールと言えるのではないでしょうか。 ちなみにこのツールもラボデータを元に評価しています。
APM(アプリケーションパフォーマンス管理)ツール
Core Web Vitalsの各指標についてGoogleのツールやChrome拡張機能を利用して確認ができますが、
その3つの指標を改善していくためにはパフォーマンス改善のための様々な指標をみていく必要があります。
また、改善施策を実施後に数値がどれくらい変化したかを測定する必要がありますが、そのためには継続的な測定が必要です。
手動での測定では限界があるため、例えば、Dynatrace、JENNIFER、NewRelicのようなAPM(アプリケーションパフォーマンス管理)を導入するのもお勧めします。
有料サービスでサイトの規模が大きいと少なからぬ運用費用が発生しますが、リアルユーザーのパフォーマンス分析やAIによる分析、プログラムのコードレベルの分析など、無料ツールにはない機能が魅力です。
Core Web Vitalsの今の影響力
UXを基準としたCore Web Vitalsについて、今後のランキングにどう影響してくるのか?気になるところですよね。 調べてみたところ、Googleの公式ブログ上にこのようなコメントがありました。 ページ エクスペリエンスの構成要素はすべて重要ですが、ランキングでは、ページ エクスペリエンスの一部の要素が平均以下であっても、総合的に優れた情報を含むページが優先されます。 優れたページ エクスペリエンスが関連性の高い優れたコンテンツに勝ることはありません。 しかし、同様のコンテンツを含むページが複数ある場合は、ページ エクスペリエンスが検索ランキングで非常に重要になります。(Googleウェブマスター向け公式ブログ より快適なウェブの実現に向けたページ エクスペリエンスの評価 より) 要約すれば、UX評価、すなわちCore Web Vitalsが低くてもコンテンツ内容がすぐれているサイトが優先される、ということです。つまりCore Web Vitalsがコンテンツの内容以上に影響力を持つことはない、と言えますね。 但し、コンテンツの評価が同レベルのサイトであれば、Core Web Vitalsで評価されランキングが決まってくることにはなりますので、無視してよい値とは言えないでしょう。 また、Core Web VitalsはUX、すなわちユーザ利用時の満足度を指標とした値です。同レベルの内容なのに動作がもっさりしているサイトと、サクサク動くサイトでは当然後者を選ぶことが目に見えていますよね。いくら内容が充実していても使い勝手が悪ければ意味がないので、利便性を追求する意味で定期的な評価や改善するためにもCore Web Vitalsは重要な指標といえるでしょう。 サイト運営者にはこれを機にCore Web Vitalsの定期的な評価、対策することをお勧めします。
各種お問い合わせやご要望は下記よりお願いいたします。
関連記事
-
Webクオリティ管理
WEBアクセシビリティチェックツール7選!無料のものから有料ものまでご紹介
-
Webクオリティ管理
Webクオリティ管理でチェックしておきたい25の項目
-
Webクオリティ管理
Webクオリティ管理に必要な考え方、定期的にチェックしたい項目とは?
-
Webクオリティ管理
ウェブサイトのリニューアルのタイミングは?Webサイトがもたらす投資対効果(ROI)を考える。
-
Webクオリティ管理
3rd Party Cookie(サードパーティクッキー)と1st Party Cookieの詳細と、今後のデジタルマーケターの考えるべき対策について
-
Webクオリティ管理
ソーシャルメディアのアクセシビリティ最適化を考える アクセスしやすくするには