ユーザーインサイトを得る方法に困ったら:まず最初に注目すべき事とは?

設計時にユーザーのインサイトを収集することはとても大切ですが、特に初期の段階ではユーザーからの同意を得るのが難しい場合があります。自分自身でワイヤーフレームを作成したり、ユーザーとそのニーズについての仮定を立てたりすることもできますが、現時点で利用できるすべてのリソースを利用することもできます。

この記事では、これらの選択肢と、それらをどのように利用できるかについて説明します。また、これらの方法は、探索的なリサーチや、新しいチャレンジやプロジェクトを探しているときのインスピレーションのためにも使えます。

1) ソーシャルメディア

人々は常にソーシャルメディア上で、発見したこと、新しいトレンド、興味のあること、使っているアプリなど、何でも話題にしています。アプリや実体験、デジタルにおける体験などに不満があるとき、LINEなどのグループチャットや友達との会話以外に最初に行く場所は、ソーシャルメディアです。あなたのユーザーもソーシャルメディアを活用しています。

ソーシャルメディアをリサーチツールとして使用する方法として、簡単な競合分析もできます。あなたのユーザーや潜在的なユーザーが、あなたの製品や競合他社の製品について何を言っているかをリサーチしましょう。ソーシャルメディアは、彼らがあなたの製品に足りないと感じているものや、何を欲しているのか、彼らが自分の経験について何を嫌っているのか、または彼らがそれについて何を好んでいるのかなどについての洞察を得るのに役立ちます。

UXの業界で言うと、UXに対する意識が高まる中、技術者ではない人でもUXに関連する用語を使うようになってきました。たとえば「UX +会社名」や「UX+製品名」のような検索をすると、ユーザーが何を考えているのか簡単にわかります。このように、商品カテゴリーに関連するキーワードで検索したり、普通に商品やサービス、会社名で検索するのもおすすめですが、これによりユーザーが何を楽しんでいるのか、何に不満を持っているのかを発見することができます。

あなたの会社がソーシャルメディア上で存在感を示す必要はありません。ユーザーや見込み顧客はあなたの会社・製品と競合他社の話をしてくれます。

2) App Storeのレビュー

App Storeのレビューは、ユーザーのフィードバックを得るための素晴らしい方法でもあります。ここには非常に多くの有益な情報があります。

App Storeのレビューを見ると、大体は星がいくつか付いていて、「これが史上最高のアプリだ」とか「これが史上最悪のアプリだ」というようなセリフが1~2行書かれているだけです。しかし、あなたが深く掘り下げれば、いくつかの重要なレビューを見つけることができます。

例えば苦情、賛辞、質問、機能要求などを含む貴重なフィードバックを見つけることができます。あなたのアプリが複数のプラットフォームで利用可能な場合は、すべてのプラットフォームをチェックする必要があります。

ソーシャルメディアと同じように、競合他社のアプリストアのレビューを見て、競合他社が何を要求しているのか、何について不満を持っているのかを確認することもできます。

さらにチャレンジしたい場合は、アプリレビューサイトやプラットフォームをチェックして、人々があなたの製品の代替品を比較できるようにすることも可能です。これはユーザーがあなたのために競合分析をしてくれているようなものです。

3) 既存の調査方法

「うちはB2B企業だから、これらのヒントは自分には当てはまらない」と思っている方に、おすすめの方法があります。

企業や調査会社は常にレポートを発表しています。Googleを活用して、興味のあるトピックについて様々な出版物や情報源から行われた調査を確認してみましょう。

それらはUXに特化したものである必要はありません。Google Scholarを使って学術論文を検索することができます。例えば、VR、AR、XRの分野であれば、社会心理学から人間の競争力のある行動までのベストプラクティスに関する学術研究が数多くあります。

また、ニールセン・ノーマン・グループは、ユーザーの行動、ユーザーの嗜好、そして貴社の製品や興味のある分野に関連する可能性のある追加情報についても発表しています。Facebook、Microsoft、Googleなどの多くの企業も、自社の調査に基づいたケーススタディやベストプラクティスを掲載しています。

あなたが抱えている課題がオンボーディングであれば、自社のオンボーディングに関連した製品を開発している他の企業からも多くのリサーチが発表されています。

また、あなたの会社で行われた過去の調査があれば、そちらにも注目しましょう。あなたの会社が過去に何をしてきたかを見て、それが現在でも利用可能かどうかも検討してみましょう。

4) 社内に目を向けてみる

B2B、B2Cともに有効な方法のヒントは、営業やカスタマーサポートなど、ユーザーと接点があるチームや、マーケティングなど組織内でリサーチを行っている他のチームに話を聞くことです。

あなたの会社のアカウントマネージャー、営業担当者、カスタマーサポート担当者に、ユーザーからの苦情や機能要求などについてのフィードバックを求めてみましょう。

内側に目を向けるもう一つの方法は、社内のパネルを使って調査することです。同僚がユーザーペルソナに当てはまる場合は、インタビューやユーザビリティテスト、コンセプトテストを行ってもらうことができます。

例えば、あなたの会社がペットを飼っている人向けの製品を作っている場合、ペットを飼っている同僚を探してみましょう。ユーザーと似たような行動や心理学的属性を考慮してください。ただし、デザインチームは除外することをおすすめします。

まとめ

これらの方法はいずれも、綿密な調査や実際のユーザーとの対話の代替ではありませんし、これらの方法で収集したデータでできることには限界があります。しかし、どのような質問をすればいいのか、どこから調査を始めればいいのかわからない場合や、エンドユーザーとの調査に賛同してくれる人を見つけるのに苦労している場合に最適な方法と言えるでしょう。

引用:https://www.userzoom.com/ux-library/how-to-get-insights-when-you-cant-talk-to-your-users/

 

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