【パフォーマンスランキング】国内主要電子コミック22サイト [2020年8月]
インターネットでマンガを読むのが幅広い世代で当たり前となった今、電子コミック配信サイトもその数を急速に伸ばしています。
このような中、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全国の人々が外出を控え、多くの時間を自宅で過ごす日々が続いています。
コロナ禍がもたらす電子コミック業界の成長と課題
2020年3月の全国一斉休校を受け、出版各社は電子コミックの無料公開を実施しました。
集英社の『週刊少年ジャンプ』、小学館の『週刊少年サンデー』の無料公開は記憶に新しいところです。
緊急事態宣言からの外出自粛要請の中、電子コミックは、在宅勤務や休校による自宅待機を余儀なくされた多くの人々の過ごし方の受け皿の一つとなりました。
今後さらなるニーズの高まりが期待され、電子コミック業界の成長にも拍車がかかることでしょう。
その一方で、急増した電子コミックサービスの選択に迷うユーザも増えてくることが予想できます。
一口にコミックサイトといっても、豊富なコンテンツを強みとした出版社系、独自キャンペーンやアプリの使い勝手に力を入れてきたIT企業運営系、オリジナルコンテンツに力を入れている独自勢力など、それぞれに特徴があります。
もちろん、取り扱い点数や無料で読める範囲、課金方法も各社大きく異なります。
インターネット広告を見たことをきっかけに利用をはじめたユーザが4人に1人との調査結果(インプレス総合研究所 2018年調査)がありますが、取り扱い点数や読み放題サービスの有無で利用を開始したユーザも、利用してみたことで、使いやすさや読みたいコミックの有無を元に、他サービスへ乗り換える。と言った、動向も増えて来ることでしょう。
表示速度は、使いやすさを示す重要な指標です。
電子コミックをストレスなく読むためにも、課題の見つかったサービスの対策は元より、対策を講じてきた各サービスにも継続的な監視、改善をお勧めします。
今回は、国内の主要電子コミック22サイトのトップページの表示時間を測定した結果を発表します。
PCサイト、スマートフォンサイトとデバイスごとの平均値を算出し掲載します。
測定は、2020年8月14日20時から8月17日20時までの3日間にわたり実施しました。
PC、スマートフォンサイト共に「少年ジャンプ+」が1位に。 デバイスによる上位の顔ぶれは変わらず。
PCトップサイトでは、「少年ジャンプ+」が、ページ表示速度0.87秒でトップとなりました。
続く2位は「スキマ」の0.99秒、3位は「Renta!」の1.26秒でした。
当社推奨表示速度2秒以内を達成したのは、ランキング12位の「GANMA!」までとなります。
次に、スマートフォンサイトですが、こちらも「少年ジャンプ+」が、ページ表示速度0.83秒でトップ、2位も変わらず「スキマ」で1.03秒、3位に「少年マガジン」の1.08秒と続きます。
当社推奨表示速度2秒以内を達成したのは、ランキング14位の「ピッコマ」までとなります。
今回、表示速度と合わせ、パフォーマンス計測で重要な指標となる、ファーストビューの表示が完了した時間(Visually Complet値:webpagetest.org提唱)、画面操作(リンクやボタンのクリックなど)が可能となる時間(Dom Interactive値:W3C提唱)の計測も行いました。いずれの推奨値もクリアーしたのは、「少年ジャンプ+」(表示速度>>PC:1位、スマートフォン:1位)、「スキマ」(表示速度>>PC:2位、スマートフォン:2位)、「少年マガジン」(表示速度>>PC:4位、スマートフォン:3位)の3社のみとなりました。
今回の測定で特筆する点は、PCおよびスマートフォンの上位10サイトの顔ぶれがほぼ同じである点です。
デバイスによるランキング順位に大きな差がなく、上位サイトが、パフォーマンスを意識した対処を行っている結果といえます。
言い換えると、下位サイトは十分な対策が打てていない、あるいは全く考慮できていないと言えます。
特に、画面操作(リンクやボタンのクリックなど)が可能となる時間(Dom Interactive値)に2秒以上を要している「マンガボックス」(表示速度>>PC:22位、スマートフォン:22位)、「COMICO」(表示速度>>PC:20位、スマートフォン:17位)は、パフォーマンスの劣化が、ユーザ体感を著しく下げる要因になっている可能性が高く、早急な検証と対策が必要です。
電子コミックサイトパフォーマンスランキング[2020年8月 計測結果]
RANK |
サービス名 |
表示速度 (秒) |
Visually Complete (秒) |
DOM |
稼働率 (%) |
1位 | 少年ジャンプ+ | 0.87 | 0.95 | 0.35 | 100 |
2位 | スキマ | 0.99 | 0.89 | 0.33 | 100 |
3位 | Renta! | 1.11 | 0.87 | 0.44 | 100 |
4位 | 少年マガジン | 1.16 | 0.78 | 0.16 | 100 |
5位 | めちゃコミック | 1.19 | 0.74 | 1.05 | 100 |
6位 | BookLive! | 1.25 | 0.57 | 0.59 | 100 |
7位 | ブック放題 | 1.26 | 1.54 | 0.79 | 100 |
8位 | マンガUP! | 1.36 | 0.88 | 0.60 | 100 |
9位 | シーモア読み放題 | 1.41 | 1.02 | 0.82 | 100 |
10位 | ニコニコ静画(マンガ) | 1.55 | 0.74 | 0.61 | 100 |
11位 | Amebaマンガ | 1.58 | 1.38 | 0.89 | 100 |
12位 | GANMA! | 1.68 | 0.72 | 0.15 | 100 |
13位 | FOD | 2.10 | 1.56 | 0.77 | 100 |
14位 | まんが王国 | 2.11 | 0.80 | 0.73 | 100 |
15位 | 漫画全巻ドットコム | 2.29 | 1.95 | 1.51 | 100 |
16位 | honto | 2.35 | 1.80 | 1.28 | 100 |
17位 | COMICO | 2.41 | 2.11 | 1.75 | 100 |
18位 | Reader Store | 2.60 | 2.34 | 1.60 | 100 |
19位 | sBookJapan | 2.65 | 1.97 | 0.41 | 100 |
20位 | pixivコミック | 2.84 | 1.49 | 0.20 | 100 |
21位 | ピッコマ | 2.86 | 1.49 | 1.44 | 100 |
22位 | マンガボックス | 5.30 | 4.48 | 4.35 | 100 |
RANK |
サービス名 |
表示速度 (秒) |
Visually Complete (秒) |
DOM |
稼働率 (%) |
1位 | 少年ジャンプ+ | 0.83 | 0.93 | 0.40 | 100 |
2位 | スキマ | 1.03 | 0.96 | 0.37 | 100 |
3位 | 少年マガジン | 1.08 | 0.72 | 0.15 | 100 |
4位 | Amebaマンガ | 1.14 | 1.00 | 0.54 | 100 |
5位 | ブック放題 | 1.16 | 1.40 | 0.69 | 100 |
6位 | めちゃコミック | 1.18 | 0.88 | 0.97 | 100 |
7位 | Renta! | 1.25 | 0.64 | 0.60 | 100 |
8位 | ニコニコ静画(マンガ) | 1.30 | 0.92 | 0.49 | 100 |
9位 | マンガUP! | 1.32 | 0.87 | 0.50 | 100 |
10位 | シーモア読み放題 | 1.42 | 0.56 | 0.56 | 100 |
11位 | BookLive! | 1.55 | 1.54 | 0.43 | 100 |
12位 | GANMA! | 1.63 | 1.41 | 0.15 | 100 |
13位 | 漫画全巻ドットコム | 1.84 | 1.65 | 1.08 | 100 |
14位 | ピッコマ | 1.96 | 1.04 | 1.06 | 100 |
15位 | pixivコミック | 2.04 | 0.89 | 0.29 | 100 |
16位 | sBookJapan | 2.34 | 1.54 | 0.30 | 100 |
17位 | FOD | 2.41 | 1.35 | 0.65 | 100 |
18位 | honto | 2.57 | 2.04 | 1.21 | 100 |
19位 | Reader Store | 2.60 | 2.73 | 1.78 | 100 |
20位 | COMICO | 2.63 | 2.40 | 2.04 | 100 |
21位 | まんが王国 | 2.64 | 1.35 | 0.63 | 100 |
22位 | マンガボックス | 4.95 | 4.42 | 4.35 | 100 |
<測定条件>
測定期間:2020年8月14日20時 〜 8月17日20時までの3日間
測定頻度:60分に1回
測定デバイス:PC(Desktop)、SP(iphoneX)
測定拠点:Tokyo (ap-northeast-1):AWS
重要度を増す、継続的なパフォーマンス監視
本結果は、サイトの優位性や利便性を保証するものではありませんが、一般的にサイト離脱の要因の一つとしてページ表示速度があげられます。
サイトパフォーマンスの劣化は顧客満足度低下をまねき、企業の収益性に直接の影響を及ぼします。
アクセスユーザへの良質なユーザ体験を維持するためにも、自社サイトのユーザ体験を知ることはますます重要となるでしょう。
継続的な、パフォーマンス監視、計測を実施してください。